2005年08月20日

筋トレ中のパニック発作

ある中年の女性はスポーツジムで筋肉トレーニング中に
パニック障害を起こしました。

デパート、レストランなどどこへもいけなくなり、
家族と一緒に車にも乗れなくなりました。

家族でファミレスに行く途中で、喘ぎ出したらご主人が怒ったため
にますますひどくなって、車を降りて歩いて家に帰ってしまった
こともありました。

それで指導は当然こちらからでかけてのことになりました。


行くと彼女は「自分が自分ではなくなった感じ」を何度も繰り返しています。

この状態は日常で「これが自分である」と感じているのとは異質な
心身を感じている事を示しています。

この現象はなにもパニック症に限った現象ではなく、どの病気にし
ても人は煩わしい病をかかえると、自分の中の一部分が謀反を起こ
したように感じるものです。

「自分が自分でなくなり、まるでガラス細工のように‥‥」とおっ
しゃった方も過去いました。


さて、

聞くと、この人は20年前にも似たような症状を起こしたことがあり、

そのときは子供3人を必死で育てていて、動き方として穏便な生活
を繰り返すことで、長期間かけて自然消滅させたというのです。

バスにも乗れないものだから、子供の手を引いて幼稚園まで何キロ
かの道を毎日二往復歩いたらしい。

そのときの生活状況を聞いたら抑圧や孤独な環境も背後にあったので、
私は心がやりなおし(再構築)をやっているのかと思い、
心身セラピーをそれとなく奨めてみました。


しかし、人間というのは不思議なものでこれだけ大変な状況でも、
気持ちのどこかに自分はおかしくなってはいないと認めたい心理が
あるのだと思います。

心理作業を行なう気にはなれないとおっしゃる。

元々この人は整体を受けていたので、心を介入しないでなんとかし
て欲しいという気持ちがあったとも思う。


しかたがないので、整体操法を行なうことに。


ところが途中で急に息が荒くなって、立ちあがって歩き始める始末、
整体操法は不可能になってしまいました。

やれやれ、そう思いながら座らせて胸椎の5番6番を触ると


「 そこっ!そこそこっ! 」っていう。


パニック症の時には咽が詰まって息が出来なくなるらしいが、

そのあたりに響いてくるらしい。

直接的には咽と胸の6番は関係無いはずなのだけど本人には実感あ
るというのです。

「 いい感じ、いい感じ、キモチイイ 」と連発。

そこで、この6番を整える体操を一回やってもらったら、

「これは恐ろしく気持ちがいい!」と感激。

それで毎日寝る前に一回だけ行なってもらった。



驚いたことにそれでパニック症が急に軽くなっていったのです。

後は回を重ねるごとに回復していき、操法も行なえるようになりま
した。

その後、いろんな体操ができるようになり、どんどんバリエーショ
ンをつけていきました。


この人は体操が好きなのか、難しい体操を三つも教えて、しかもバ
リエーションを加えても一回で覚えました。

何なんだろうなーこの勢いは‥‥と私は思ったりしていました。
(この疑問は後で解ける。)


何回かやっていくうち、会う度に

外へいけるようになった‥‥、

デパートにいけるように‥‥

前に飲んでいた飲み物が飲めるようになった。
(パニック障害の症状の中には飲み物の嗜好変化まで起こすことがある)

と、回を追って彼女が良くなるので私もとても嬉しかった。



結局、あともうちょっとで改善かな、というあたりで

彼女は一回だけ身体を使ってのメンタルワークを行ないました。


彼女が見逃していた感受性がチラッと顔を覗かせ、

一瞬ちょっと深刻な顔に‥‥、それで終り。



彼女の中の厳格冷静沈着で卒のないパーソナリティーが

上手く生かされていなかったことが自覚化されました。



今回のタイトルは【 筋肉トレーニングの最中のパニック発作 】


筋トレ中のパニック発作については、

随意筋のみの過剰な負荷、その結果心臓を中心とした全身循環器系

の鼓舞状態、その時に負荷のかかっていた筋肉や動き、確かにこれ

らがパニック症を誘発することは考えられます。


しかし、筋トレを行った人が皆この症状を患うと決め付けることは

早計です。筋トレがパニック障害を誘発すると短絡的な結論は出せ

ません。単なる個人的きっかけに過ぎないと思います。

そのことがその体にどのように関わっているかが問題のはずです。

たぶん腕を使っていることが多いのではないかと考えられますが、
このケースでの例が少ないので推測でしか言えません。



ところで、この人が何故体操を適確に覚えていったかには、
理由がありました。

実は、本当は彼女を突き動かし、努力させていた強いエネルギーは、
既に前から予定を立てていた海外旅行だったのです。

最後あたりにそれが分かってちょっとガッカリしたけど、

よく考えるとそういうシンプルな欲望っていいなと

結果的には私はそう思いました。


生真面目な日本人には少し受け入れ難いかもしれないけど
(彼女は外国人)シンプルな欲望も大事なのです。


強く具体的な目的を持つことは、人をその方向へ動かすというのが
成功哲学や願望達成法の大切な原理となっています。

この意味では、目的として「ソレ」を治すこと


よりも、


「その先で、何を実現したいか」にウエイトを置くことは
一つのコツかもしれません。


この気づきは、私も彼女にありがとうと言いたい。



個人情報保護のため、さしさわりのない程度に、
一部を事実とは異なる内容に変えてあります。


posted by 由 at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 2.体との関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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